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トローリングは、海上を船で移動しながら釣り糸を垂らし、魚を追いかけるダイナミックな釣り方です。スピード感があり、船の進行に合わせて魚が引っ張られるアクションは、釣り愛好家にとって魅力的です。
特に、大型魚との駆け引きが堪能できることから、「ビッグゲームフィッシング」とも称され、多くの釣り人の憧れとなっています。
トローリングの魅力は、海の自然と一体になりながら、魚との力強いファイトを楽しめる点にあります。ターゲットはクロマグロやキハダマグロ、ヒラマサ、ブリ、サワラなど、大物が中心です。
魚の生態に合わせたスピードでルアーを引き、食いつきを狙うこの釣り方には、季節や水温などの知識も重要です。また、船上でのセッティングやタックルの使い方、装備の工夫が釣果に直結するため、初心者から上級者まで幅広く奥深い楽しみ方が可能です。
この記事では、トローリングの基本から楽しみ方、必要な道具や仕掛け、狙える魚種ごとの攻略法まで詳しく解説します。
トローリングとは?
トローリングは、船を動かしながら釣り糸を垂らし、魚に疑似餌を追わせて釣り上げるスタイルの釣りです。特にクロマグロやキハダマグロなどの大型魚を狙えることから、迫力あるビッグゲームとして知られています。
基本的には船のスピードとルアーの動きを調整し、魚の捕食行動を誘うため、ルアー選びや引き方が重要な要素です。漁場の水温や潮流、海域によっては異なる魚種を狙うことができ、初心者から上級者まで幅広い釣り人が楽しむことができます。
トローリングに適した海域と季節ごとのターゲット
トローリングは沖合を主な釣り場とするため、深海魚や回遊魚が多く生息する沖合が理想的な釣り場です。また、磯や堤防などの近場で実施される「ショアトローリング」と呼ばれる釣り方もあり、こちらは身近なエリアで手軽に楽しむことができます。
海域とともに、魚の活動が活発になる季節も考慮する必要があり、以下のようなシーズンごとに狙えるターゲットが異なります。
- 春(3月〜5月)
春は水温が上がり始め、ブリやカツオ、サワラといった魚が活発に動き出します。特に沖合ではカツオやブリが群れを成して回遊するため、初心者にもヒットしやすい時期です。磯付近や堤防周りでも、ブリなどの回遊魚が比較的狙いやすくなります。 - 夏(6月〜8月)
水温が高まり、キハダマグロやヒラマサが回遊してくる夏は、大物を狙うチャンスです。特に沖合では、クロマグロやキハダマグロが活発に餌を追うため、大型リールや強度の高いロッドが活躍します。ショアトローリングでは、浅瀬に近づく青物や小型の回遊魚を狙うことができます。 - 秋(9月〜11月)
気温が下がり始めると、再びサワラやカツオが近海に戻ってくるため、秋もトローリングが楽しめる季節です。ブリやヒラマサの活性も高まり、堤防や磯からのショアトローリングも好機になります。水温が安定する秋は、さまざまな種類の魚が釣りやすくなるため、初心者から上級者までおすすめの季節です。 - 冬(12月〜2月)
冬場は釣果が少なくなりがちですが、沖合ではクロマグロや大型ヒラマサが狙える時期でもあります。高い装備と技術が要求されるため上級者向けですが、大物狙いのビッグゲームファンにはたまらないシーズンです。
トローリングは、海域や季節に合わせて狙うターゲットが多彩であり、釣果を上げるための工夫や準備が求められます。それぞれの季節でのターゲットを意識して、釣行計画を立ててみましょう。
トローリングに必要な装備と選び方
トローリングを楽しむためには、目的やターゲット魚種に合わせた装備が不可欠です。特に大型魚を相手にすることが多いため、強度や操作性に優れたタックルが求められます。初心者から上級者まで、それぞれのレベルに応じた基本装備と選び方を解説します。
初心者向けの装備
トローリングを始めたばかりの初心者には、軽量で扱いやすい装備が適しています。大物狙いよりも、まずは操作方法や引きの感覚をつかむことが重要です。
- 軽量のロッドとリール
初めてのトローリングでは、軽量で扱いやすいファイバーグラス製のロッドが便利です。また、リールは比較的小型のものから始めると良いでしょう。例えば「ダイワ ウィルダネス ダウンリガートローリングロッド」は、軽量で初心者に扱いやすく、耐久性も備えています。 メリット:初心者でも操作しやすく、長時間の使用でも疲れにくい点が特徴です。 - ナイロンライン
初めはナイロンラインを使用するとよいでしょう。伸縮性があるため、魚が掛かった際の衝撃を吸収しやすく、扱いやすいです。
中級者向けの装備
中級者になると、より大物を意識した装備選びが必要です。引きの強い魚に対応できるよう、耐久性のあるロッドや高性能なリールが求められます。
- 強度の高いロッド
大型の青物や中型のマグロを狙う場合は、強度が高く、しなりを持つロッドが理想です。「ミヤマエ ヘビーバトラー ウシシビ」は、クロマグロなどの引きにも対応できる強靭な設計で、パワーを感じながらトローリングを楽しめます。 メリット:タフな構造で、重い魚とのやりとりにも耐えられる点が優れています。 - PEライン
PEラインはナイロンラインに比べて伸びが少なく、海底での感度が良好です。大型の魚が相手でも切れにくく、高負荷に耐えることが可能です。
上級者向けの装備
上級者には、トローリングの中でもビッグゲームを想定した装備が求められます。カジキや大型マグロに対応できる頑丈なロッドと高性能リールが必要です。
- 超高強度のロッド
「Marlin&Tuna Club MTシリーズ」は30lb、50lb、80lbクラスから選択でき、ローラーガイドを装備しているため、大型魚とのファイトでもラインが擦れにくく、スムーズに動かせます。 メリット:耐久性が高く、大型のターゲットに挑む際にもストレスなく使用できます。 - パワフルな電動リール
「ダイワ マリンパワー 3000-24V」などの電動リールは、強力な巻き上げ力とドラグ性能を兼ね備えており、大型カジキやクロマグロなどのパワフルな引きにも対応できます。電動リールは手動に比べて効率的で、大物釣りの疲労軽減に役立ちます。 メリット:高負荷時も安定した巻き上げが可能で、大物狙いの長時間釣行に最適です。
トローリングでは、装備の選び方が釣果に大きく影響します。初心者は軽量で扱いやすい装備から始め、中級者以上になると大物対応のタックルにステップアップしていくと良いでしょう。
トローリングロッドの選び方とおすすめモデル
トローリングロッドは、ターゲットとなる魚種や釣行スタイルに応じて、強度やしなやかさ、長さなどを考慮して選ぶことが重要です。
特に大型魚がターゲットの場合、ロッドの性能が釣果に大きく影響します。ここでは、トローリングロッドの選び方と初心者から上級者向けのおすすめモデルを紹介します。
ロッドの選び方のポイント
トローリングロッドを選ぶ際には、以下の点に注目してください。
強度としなやかさ
トローリングでは引きの強い魚が多いため、ロッドの強度が重要です。クロマグロやカジキのような大型魚を狙う場合は、特に高強度のロッドが必要です。また、しなやかなロッドは魚の引きを吸収しやすく、ファイトの際の負担が軽減されます。
ロッドの長さ
長いロッドはより大きなルアーを扱いやすく、広範囲に魚を誘うことが可能です。小型の魚や浅場では短めのロッド、大型魚や深海での釣りには長めのロッドが適しています。
ローラーガイドの有無
ローラーガイドはラインの摩擦を抑える効果があり、特に長時間のファイトや大型魚とのやり取りで力を発揮します。大物を狙う場合には、ローラーガイド付きのロッドがおすすめです。
おすすめのトローリングロッド
ここでは、初心者から上級者までそれぞれに適したおすすめのトローリングロッドを紹介します。
ダイワ ウィルダネス ダウンリガートローリングロッド
軽量で強度のあるファイバーグラス製のロッドで、初心者から中級者に最適なモデルです。長時間の使用でも疲れにくく、シンプルな設計で初心者が扱いやすい仕様です。
ミヤマエ ヘビーバトラー ウシシビ
クロマグロ対応の高強度ロッドで、上級者におすすめです。重い魚とのファイトでも折れにくいタフな設計で、ハードな状況にも対応可能です。特に引きの強い大型魚をターゲットにする際に活躍します。
Marlin&Tuna Club MTシリーズ
30lb、50lb、80lbクラスが選べる上級者向けのロッドです。ローラーガイドを装備しているため、大型魚でも摩擦を抑えて滑らかなファイトが可能です。トローリングでビッグゲームに挑戦する人にとって頼れるモデルです。
トローリングリールの選び方とおすすめモデル
トローリングリールも、釣りの成否を左右する重要な装備です。リールの巻き上げ力やドラグ性能、耐久性が求められるため、ターゲット魚種に合わせて適切なリールを選びましょう。
リールの選び方のポイント
トローリングリールを選ぶ際には、以下のポイントを考慮してください。
巻き上げ力とギア比
巻き上げ力は大型魚とのやり取りに必要な要素で、特に重い魚を狙う場合には、強力な巻き上げ力を持つリールが必須です。ギア比が高いリールは素早くルアーを回収でき、低いギア比のリールは巻き上げに力をかけやすい特徴があります。
ドラグ性能
ドラグは魚が掛かった時にラインが切れないよう調整する機能です。大物釣りでは高いドラグ性能が必要で、魚の引きに合わせて柔軟に調整できるリールが理想的です。
PEライン対応
トローリングでは、PEラインが一般的に使用されます。リールがPEラインに対応しているかも確認が必要です。
おすすめのトローリングリール
初心者から上級者向けのおすすめリールを以下に紹介します。
ダイワ マリンパワー 3000-24V
電動リールで、強力なドラグと高負荷に耐えられる設計です。特にカジキなどの大型魚を相手にしたトローリングに最適です。電動で操作がしやすく、長時間の釣行でも疲れにくいのが特長です。
PENN セネター 115L2
手動リールでコストパフォーマンスに優れたモデルです。頑丈なフレーム設計で、ブリや中型の青物など大物にも対応でき、コスパを重視したい人におすすめです。
シマノ ストラディックSW 5000HG
耐久性と防水性能が高く、海水の影響を受けにくいリールです。特にヘビートローリングや中型魚狙いに適しており、シンプルな構造で扱いやすいため初心者にもおすすめです。
適切なロッドとリールを選ぶことで、トローリングの楽しさはさらに広がります。自分の釣りスタイルやターゲットに合った装備を揃え、充実したトローリングライフを楽しんでください。
トローリング用ラインの選び方とおすすめモデル
トローリング用ラインは、魚種や釣る場所、水深によって最適なものが異なります。ラインは、ターゲットに応じた強度や耐久性が求められ、トローリングの成功を左右する重要なアイテムです。一般的に、トローリングでは強度と感度の高いPEラインや、伸縮性があり衝撃に強いナイロンラインが用いられます。ここでは、ラインの選び方と、初心者から上級者におすすめのモデルを紹介します。
ラインの選び方のポイント
ライン選びで押さえるべきポイントは以下の通りです。
強度と耐久性
大型魚や引きの強い魚が相手の場合、切れにくいラインを選ぶことが重要です。PEラインは特に耐久性が高く、細いながらも強い引きに耐えることができるため、深海や大型魚狙いには最適です。ナイロンラインは、伸縮性があるためショックに強く、比較的浅場や中型魚に適しています。
感度
海底での障害物や魚のアタリを感じやすいラインは、トローリングにおいても有利です。特にPEラインは感度が高く、底付近の反応や魚の引きをしっかり伝えてくれます。
ラインの種類(PE、ナイロン、フロロカーボン)
トローリングでは、通常、強度と感度が高いPEラインが主流ですが、ナイロンラインも衝撃吸収に優れているため、状況に応じて使い分けることができます。また、フロロカーボンラインは、透明度が高く魚から見えにくいため、警戒心の強い魚を狙う際に適しています。
おすすめのトローリング用ライン
ここでは、トローリングでよく使用されるおすすめラインを紹介します。
よつあみ GALIS ウルトラPE X8
細さと耐久性が特徴の高強度PEラインです。大型魚の強い引きにも耐えられる強度があり、深海でも使用できます。ラインのコーティングにより滑りが良く、キャスティング時のトラブルも少ないため、初心者から上級者まで使いやすいモデルです。
シマノ タナトル 8+X
シマノのタナトルは、耐久性が高く、巻きぐせがつきにくい特性を持つPEラインです。多層コーティングによって水中での抵抗を抑えられ、特に深海でのトローリングに適しています。コスパが良く、幅広い層の釣り人に支持されています。
ダイワ UVF メガセンサー 8ブレイド+Si
感度が高く、細いのに強度のあるPEラインです。Siコートによる滑らかな操作感と、UV加工による耐久性があり、紫外線にも強いため長期間使用しても劣化が少ないのが特長です。中型から大型の魚まで対応でき、安定したパフォーマンスを発揮します。
適切なラインを選ぶことで、トローリングの効果を引き出し、魚とのファイトを有利に進められます。釣り場やターゲットに合わせて、ラインの種類や強度を選定し、トローリングを楽しみましょう。
トローリングに必要な仕掛け
トローリングでターゲットを効率よく狙うためには、仕掛けやエサの選び方が重要です。魚の種類や習性に応じた仕掛けを準備することで、釣果に大きな差が生まれます。
特に、ルアーやリーダー、エサの選定は、魚が食いつきやすいかどうかに直結します。ここでは、トローリングでの基本的な仕掛けの選び方と、効果的なエサ・ルアーを紹介します。
仕掛けの選び方とおすすめ仕掛け
トローリングの仕掛けには、リーダーやサビキなどが使用されます。魚種によって強度や長さが異なるため、ターゲットに応じた仕掛けを選びましょう。
- リーダーの選び方
リーダーは、メインラインとルアーの間に結び付ける、太くて耐久性のあるラインです。魚の引きやラインの擦れに強い素材が求められ、特にサワラやヒラマサなどの歯の鋭い魚を狙う際には、強度の高いリーダーが必要です。長さは、一般的にターゲットが小型魚であれば短め、大型魚であれば長めのものを使用します。
オーナー ショートトローリングリーダー
回遊魚に適したリーダーで、強度のある設計が施されています。引きが強い魚にも対応でき、特に中型から大型の青物やカツオなどに最適です。耐久性も高く、長時間のトローリングでも安定した性能を発揮します。
がまかつ トローリングサビキ
ブリやサワラを狙うトローリングで効果的なサビキ仕掛けです。リアルな色合いや動きで、魚を誘い出しやすいのが特長で、比較的浅場でも活躍します。サビキ仕掛けは小型の魚も狙いやすいため、手軽にトローリングを楽しむには最適な選択です。
おすすめルアー
トローリングではルアーの選定も釣果に大きく影響します。魚の種類や海域に合わせて適切なルアーを選びましょう。ここでは、青物や大型魚に効果的なルアーをいくつか紹介します。
エバーグリーン ジギングルアー メタルフォーカス
青物に対応する高性能ルアーで、特にブリやヒラマサに効果的です。水中での動きがリアルで、魚が興味を持ちやすく設計されています。耐久性にも優れ、強い引きにも対応できるため、青物釣りにおいて信頼性の高いアイテムです。
タックルハウス ブルースコード 80
泳ぎが自然で、特に青物に効果的なルアーです。タフな構造で、サワラやブリなどの強い引きを持つ魚に適しており、魚が反応しやすいカラーリングも魅力です。トローリング初心者でも使いやすく、汎用性の高さから様々なシーンで活躍します。
ラパラ マグナム フローティング
カジキや大型のマグロなど、ビッグゲーム用に設計されたルアーです。強度が高く、トローリングのスピードに合わせた安定した動きで、大型魚をターゲットにした釣りに最適です。重厚感があり、耐久性にも優れているため、上級者のビッグゲームにも対応できます。
魚種別に選ぶエサとルアーのポイント
ターゲットとする魚によって、適したエサやルアーが異なります。魚の習性や好みに合わせて選ぶと、ヒット率が向上します。
- ブリやヒラマサ
ブリやヒラマサは遊泳力が強く、動きの速いルアーに反応しやすい傾向があります。特に、メタルジグやサビキ仕掛けが効果的です。スピードを調整しながら引くことで、魚の興味を引きやすくなります。 - サワラ
サワラは歯が鋭く、速い動きに反応するため、サワラ専用のリーダーや鋭い動きをするルアーが必要です。特に、ブルースコードのような自然な泳ぎを持つルアーが有効で、速度を早めに設定してアプローチすると効果的です。 - キハダマグロやカジキ
大型のキハダマグロやカジキには、大型のフローティングルアーや強度の高いリーダーを使用します。ターゲットが大きいほど、強度や耐久性が高い仕掛けが求められます。
適切な仕掛けとエサを選び、トローリングで狙う魚に合わせた準備を整えることで、釣果を効率よく上げることができます。仕掛けやエサの選定にこだわり、さまざまな魚とのファイトを楽しみましょう。
トローリングで狙える魚
トローリングでは、多種多様な魚を狙うことができ、特に回遊魚や大型魚がターゲットになります。魚ごとに適した引き方や仕掛けの使い方があるため、それぞれの特徴に合わせたテクニックが必要です。
ここでは、トローリングで人気のある代表的な魚種と、それぞれの釣り方のポイントを紹介します。
キハダマグロ
キハダマグロは、30〜100kg以上に成長する大型魚で、力強い引きが魅力です。遊泳力が強く、トローリングでは引きの強さを楽しむのに最適なターゲットです。
- トローリング速度
キハダマグロを狙う際には、船の速度を7〜8ノット(約13〜15km/h)程度に設定すると効果的です。高速で動く餌に反応しやすいため、素早く泳がせることで興味を引きやすくなります。 - ルアー選び
フローティングタイプやスイムベイトなどの大型ルアーが有効です。特に、青や銀色のルアーは魚の鱗の光に似た反射をするため、視覚的に引き寄せやすくなります。
ヒラマサ
ヒラマサは、引きが強く、ファイトが楽しめる青物の代表的なターゲットです。力強い引きと瞬発力で、釣り人にとって大きな手応えがあります。
- トローリングのアプローチ
船の速度は6〜7ノット(約11〜13km/h)程度が適しています。ヒラマサは比較的深い位置にいることが多いため、ダウンサーやディープダイバータイプのルアーを使用して中層〜深層を狙うと効果的です。 - 仕掛けとルアー
メタルジグやナチュラルな色合いのミノータイプルアーが有効です。特にヒラマサは瞬発力があるため、ルアーの動きに変化をつけて誘うことで食いつきやすくなります。
ブリ
ブリは比較的浅場にも生息し、初心者から上級者まで幅広く楽しめるターゲットです。成長によって名前が変わる魚で、サイズが大きくなるにつれ釣りの難易度も上がります。
ブリを狙う場合は、潮目や潮流が強い場所で船をゆっくりと走らせるのがポイントです。速度は5〜6ノット(約9〜11km/h)程度に設定し、群れにアプローチすると効果的です。
- 使用する仕掛け
ブリはサビキ仕掛けやペンシル型のルアーに反応しやすい傾向があります。特にシルバーや青系のカラーは、ブリの捕食対象となる小魚に似ているため効果的です。
サワラ
サワラは、歯が鋭く、攻撃的な捕食行動を見せる回遊魚です。群れで行動することが多く、一度ヒットすると連続して釣れることもあります。
サワラはスピードのあるルアーに反応しやすいため、船の速度を6〜8ノット(約11〜15km/h)程度に設定して、ルアーの動きを早くするのがポイントです。
- 適したルアーとリーダー
歯が鋭いため、リーダーには切れにくいワイヤータイプを使用します。サワラ専用のサビキ仕掛けや、ブルースコードのように細かい動きが出るルアーが効果的です。
カジキ
カジキはトローリングの中でも「ビッグゲームフィッシング」として人気のある大型魚で、釣り人にとって挑戦しがいのあるターゲットです。捕獲には強い体力と経験が求められます。
8〜10ノット(約15〜18km/h)の高速で船を進めるのが一般的です。ルアーが波間で跳ねるように動かすと、カジキが反応しやすくなります。
- おすすめのルアーとライン
ローラーガイド付きのロッドと、30lb以上の耐久力を持つPEラインが理想的です。ルアーはフローティングタイプでカジキが興味を示しやすい派手な色のものが良いでしょう。
カツオ
カツオは引きの強さと素早い動きが特徴で、トローリングを始めたばかりの初心者にもおすすめのターゲットです。回遊魚のため、群れに当たれば連続して釣れる可能性が高い魚です。
トローリング速度は7〜9ノット(約13〜17km/h)程度が適しています。カツオはルアーの動きにすぐ反応するため、スピーディーに船を動かしながら釣るのがポイントです。
- ルアー選び
青色や銀色のメタルジグやペンシル型ルアーが効果的です。カツオは小魚を好んで捕食するため、小型のルアーやサビキ仕掛けも有効です。
サバ
サバは比較的小型で、トローリング初心者にも楽しみやすいターゲットです。数が多く、群れで回遊するため釣りやすい魚です。
サバは速い動きのルアーにも反応しやすく、船の速度を5〜7ノット(約9〜13km/h)程度に設定すると効果的です。特に群れを見つけると連続で釣れることが多いです。
- 仕掛けの選び方
サバ用の小型ミノーやメタルジグが有効です。また、サビキ仕掛けは群れを見つけた際に一度に複数匹釣ることができるため便利です。
トローリングでのターゲットはさまざまですが、魚の習性に合わせて速度や仕掛けを工夫することで釣果を上げやすくなります。それぞれの魚種に適したテクニックを駆使し、トローリングの魅力を存分に楽しみましょう。
トローリングの応用テクニック
トローリングに慣れてきた中級者から上級者に向けて、より釣果を上げるための応用テクニックを紹介します。これらのテクニックを駆使することで、大型魚を狙う難易度の高いトローリングに挑戦したり、効率的にターゲットを狙うことが可能です。
ダウンサーの活用法
ダウンサー(ダウンリガーとも呼ばれる)は、仕掛けを一定の深さで安定させるための道具です。トローリングでは、魚がいる層に仕掛けを送り込むことで釣果を上げることが可能です。特に深い層にいる魚を狙う際や、ターゲットが海底近くにいる場合に効果的です。
深度の調整
ダウンサーの深度は、その日のターゲット魚種や水温、魚群探知機の情報に基づいて決めます。魚が深い層にいる場合は、ダウンサーで仕掛けをその深度に固定し、食いつきを狙います。例えばヒラマサやカジキなど、深い場所に潜む魚を狙う際には、ダウンサーの使用が効果的です。
潮流や水温に応じた使い分け
ダウンサーは潮流が速い時や水温が低いときに特に有効です。潮流により魚が特定の層に集まりやすくなるため、ターゲットの動きを観察し、深さを調整することで、効率的に魚を狙えます。
ローラーガイドを活用したドラグの調整
ローラーガイドは、大型魚とのファイトでラインの摩擦を軽減し、スムーズな操作を可能にするための装置です。特に、トローリングで引きの強い魚を相手にする際に有効です。ローラーガイドとドラグの調整を組み合わせることで、釣りの難易度が高いビッグゲームでも成功率を上げられます。
ドラグの設定
大型魚が掛かった場合、ドラグは重めに設定しておくと、ラインが切れるリスクを減らせます。しかし、魚の引きに応じてドラグの強さを微調整することが重要です。強すぎるとラインが切れ、弱すぎると逃げられる可能性が高まるため、魚の引き具合に合わせてドラグを調整します。
ローラーガイドの使い方
ローラーガイドがあるとラインがスムーズに動き、摩擦によるライン切れを防げます。特にクロマグロやカジキなど、持久戦になりやすい魚とファイトする際に効果的です。リールを巻き上げる際もラインがガイドでしっかり支えられるため、魚との距離をスムーズに詰めることが可能です。
魚の習性に合わせた引き方とスピード
トローリングでは魚種ごとに適した速度や引き方が異なります。魚の習性や生態を理解することで、ルアーへの食いつきを誘発することが可能です。魚種や状況に応じて、リールの速度や巻き上げのリズムを工夫しましょう。
速度の調整
魚の種類や状況に応じた速度設定が釣果に影響します。例えば、ヒラマサやブリは比較的遅めの5〜7ノット(約9〜13km/h)が適している一方、カツオやサワラは高速で動く餌に反応しやすいため、8〜10ノット(約15〜18km/h)の速いスピードが効果的です。
引き方の工夫
魚によっては、一定のリズムで引くよりも、不規則に引くほうが反応を引き出しやすい場合があります。たとえば、ルアーを小刻みに引く「ジャーキング」や、ラインのテンションを変えて緩急をつける「ポッピング」などの技法を使い、魚が追いかけやすい動きを再現することで食いつきを高められます。
マルチリールとルアーの組み合わせ
上級者向けのテクニックとして、異なるルアーやリールを組み合わせて、魚の反応を多角的に引き出す方法があります。複数のリールを使い、魚のいる深度や動きに応じたルアーをセッティングして、より多くのターゲットを効率的に狙うことが可能です。
複数リールの活用
異なる深度や異なるリズムで巻き上げることで、魚の行動パターンに合わせた多彩なアプローチができます。上層用、中層用、下層用のリールを用意し、異なる層にターゲットを仕掛けることで、複数の魚種に対応できるメリットがあります。
ルアーの組み合わせ
色やサイズ、動きの異なるルアーを複数種類セットし、魚がどのルアーに興味を示すかを観察することも有効です。魚の反応に応じてルアーを交換することで、その日のヒットパターンを見つけやすくなり、釣果が安定します。
潮流や風向きの読み方
潮流や風向きも、トローリングで魚を探す上で重要な要素です。潮流や風によって魚の集まるポイントが変わるため、これらの情報をもとに船の位置や引き方を工夫することで釣果が上がります。
潮目を狙う
潮目は異なる潮流がぶつかることでできる境界線で、プランクトンや小魚が集まりやすく、回遊魚が集まるポイントとして知られています。潮目ができている場所を目指してトローリングを行うと、大物のヒットが期待できます。
風を利用した釣り方
風下に向かって船を走らせると、波の抵抗を受けにくいため、安定した速度でトローリングを行えます。また、風向きに合わせてラインが流される位置を調整することで、魚が泳ぎやすい層にルアーを配置しやすくなります。
釣り場の選び方
トローリングは広い海域を移動しながら行う釣りのため、釣り場の特性や状況が釣果に直結します。各釣り場には、魚が集まりやすいポイントや、その場所に適した釣り方が存在します。ここでは、堤防、磯、沖合といった主要な釣り場ごとの特徴や、トローリングで効果的なアプローチ方法を解説します。
堤防でのトローリング
堤防は手軽にアクセスできるため、多くの釣り人に人気の釣り場です。堤防周りには、回遊魚が小魚を追って集まりやすく、特に青物を狙うのに適しています。堤防でのトローリングでは、陸地から少し離れた位置をターゲットに仕掛けを流す「ショアトローリング」が主流です。
- 魚影が濃いポイントを狙う
堤防の先端や潮の流れが集中する場所は、餌となる小魚が集まりやすく、それを追う大型魚も集まりやすくなります。堤防沿いであれば、朝夕の満潮時に近いタイミングが狙い目で、魚の活性が高まりやすい傾向があります。 - 仕掛けとルアー
堤防でのトローリングには、ミノーやメタルジグなど、小型の青物に反応しやすいルアーが適しています。また、潮流の動きに合わせてルアーの速度や引き方を工夫することで、より自然な動きを再現できます。特にサバやブリの小型のものは堤防付近でヒットしやすい魚種です。
磯でのトローリング
磯でのトローリングは、魚が集まるポイントを見つけてアプローチする「ショアトローリング」の応用形です。磯は海底の地形が複雑であるため、潮流や水温の変化によって、魚が集まりやすい場所が多く存在します。
- 魚が集まる場所の見つけ方
磯の中でも、潮がぶつかり合う「潮目」や、岩礁がある場所は魚が集まりやすいポイントです。潮目は異なる温度や濃度の潮が混じり合う場所で、プランクトンや小魚が豊富で、青物や回遊魚が集まる傾向があります。水深が急激に変わる場所や、岩陰も魚が身を潜めやすい場所です。 - おすすめの仕掛け
磯でのトローリングには、耐久性が高く引きが強いメタルジグやミノータイプのルアーが効果的です。また、潮の流れに逆らう形で船を進め、ルアーが潮にのって自然に泳ぐように設定すると、魚が食いつきやすくなります。
沖合でのトローリング
沖合でのトローリングは、特に大型魚を狙う場合におすすめの方法です。沖合は深度が深く、広範囲にわたるため、魚群探知機やGPSを活用しながら効率よく魚を探す必要があります。沖合でのトローリングでは、魚が潜む水深や潮の流れ、潮目を見極めて、仕掛けや引き方を工夫することが重要です。
- 潮流や潮目を活用する
沖合では、潮流が複雑に交わる場所や、潮目ができるポイントに魚が集まりやすい傾向があります。潮目には小魚やプランクトンが集まり、そこに餌を求めて回遊魚が寄ってきます。魚群探知機を使いながら、潮目付近を中心に仕掛けを流すと、大型魚がヒットしやすくなります。 - おすすめのルアーとライン
沖合で大型魚を狙う際には、大型ルアーや高耐久のPEラインが必須です。カジキやマグロなどのビッグゲームには、大型のフローティングルアーや強度の高いフックが適しており、耐久性のあるローラーガイド付きロッドと組み合わせることで、大型魚とのファイトをスムーズに進められます。
地形ごとにアプローチを変えるコツ
トローリングでは、釣り場ごとの地形を理解し、適したアプローチを選ぶことが釣果を上げるポイントです。
- 浅瀬
比較的浅瀬では、潜水性の高いルアーを使い、潮流や海底の地形に沿って引くと効果的です。浅瀬にはブリやサワラなどの青物が潜みやすく、自然に近い動きを演出することでヒット率が上がります。 - 中層〜深層
魚が中層から深層にいる場合、ダウンサーやディープダイバータイプのルアーを用いて、魚がいる層まで仕掛けを沈めます。ヒラマサやカツオ、マグロなどは、この中〜深層にいることが多いため、仕掛けの深さを調整して狙います。
トローリングは、釣り場の特性を理解し、それに適した装備や仕掛けを準備することで、より多くのターゲットを効率的に狙うことができます。それぞれの釣り場で効果的なテクニックを使い分けて、釣果を上げていきましょう。
まとめ
トローリングは、ダイナミックな釣りを楽しむことができるうえ、魚種や釣り場ごとに異なるテクニックを駆使する奥深い釣りです。海を移動しながら釣りを楽しむこのスタイルでは、魚との力強いファイトが魅力で、釣り人にとって大きな喜びとなります。
トローリングで大切なことは、魚種ごとの習性や、釣り場の特徴を理解してそれに応じた装備を準備することです。初心者であれば、まずは堤防や磯でのショアトローリングから始めると、釣りの基本を学べるでしょう。
そして経験を積んでいくうちに、深海や沖合での本格的なトローリングにも挑戦できるようになります。装備に関しても、ロッドやリール、ライン、仕掛けといったタックルをステップアップさせることで、釣りの幅が広がります。
また、トローリングは一人での挑戦だけでなく、仲間や家族と一緒に楽しむこともできる釣り方です。船を出し、広い海を舞台にして仲間と協力しながらターゲットを追う体験は、釣りの楽しさを倍増させるでしょう。